障害児通所支援の指定申請や、実地指導(運営指導)のたびに提出を求められる「勤務形態一覧表」。数字を一つ間違えるとやり直し、人員配置基準を満たしているか毎回ドキドキする……。この書類に苦手意識をお持ちの方は、決して少なくありません。この記事では、様式4・様式5と呼ばれるこの表を、記入する欄ごとにかみくだいてご説明します。読み終えるころには「なるほど、そういう順番で埋めればいいのか」と思っていただけるはずです。
勤務形態一覧表(様式4・様式5)とは?いつ必要になるのか
勤務形態一覧表は、「勤務体制一覧表」とも呼ばれる書類で、事業所で働くスタッフ一人ひとりが、いつ・どの職種で・どれくらいの時間働いているのかを一覧にまとめたものです。多くの自治体で 様式4(従業者の勤務体制及び勤務形態一覧表)や 様式5 として指定されており、児童発達支援・放課後等デイサービスをはじめとする障害福祉サービスの指定申請時に添付します。
この表がなぜ大切かというと、事業所が 人員配置基準 をきちんと満たしていることを、書面で示すための土台になるからです。児童指導員・保育士などの配置人数や、管理者・児童発達支援管理責任者(児発管)の兼務状況、そして「常勤換算では何人分にあたるか」が、この一枚から読み取れるようになっています。
提出が必要になる主な場面は、次のようなときです。
- 新しく事業所を開設し、指定申請を行うとき
- スタッフの入退職や配置変更があり、変更届を出すとき
- 自治体による実地指導(運営指導)で、勤務実態の確認を求められたとき
- 特定の加算を取得・継続するために、配置要件を証明するとき
つまり、開設のとき一度きりではなく、事業を続けるかぎり折にふれて向き合う書類だということです。だからこそ、毎回ラクに正確に作れる仕組みを持っておくことが、現場の大きな安心につながります。
記入項目を一つずつ見ていきましょう
様式は自治体ごとに細かな違いがありますが、書く内容の芯はどこもほぼ同じです。おおまかに「上のほうにスタッフごとの情報を書き、下のほうで人数を集計する」という構成になっています。代表的な記入欄を順に見ていきます。
| 記入欄 | 何を書くか | 気をつけたい点 |
|---|---|---|
| ① 職種 | 管理者・児発管・児童指導員・保育士などの職種 | 兼務はどの職種を兼ねるかがわかるように記入 |
| ② 常勤/非常勤の区分 | 常勤か非常勤かの区別 | 事業所で定めた常勤の勤務時間を満たすかで判断 |
| ③ 勤務時間 | 週の勤務時間や曜日ごとの勤務パターン | 実際のシフトと食い違わないよう正確に写す |
| ④ 常勤換算後の人数 | 全員で常勤何人分になるか | 勤務時間の合計 ÷ 常勤の所定労働時間で計算 |
| ⑤ 資格・その他の欄 | 保有資格・実務経験・配置に関する備考 | 要件を満たすことがわかるよう指示に従う |
① 職種
そのスタッフが担う職種を書きます。児童発達支援・放課後等デイサービスでよく登場するのは、管理者、児童発達支援管理責任者(児発管)、児童指導員、保育士、そのほかの従業者などです。一人が管理者と児発管を兼ねる、といった兼務がある場合は、様式の書き方に沿って、どの職種を兼ねているのかがわかるように記入します。
② 常勤/非常勤の区分
そのスタッフが常勤なのか非常勤なのかを区別して書きます。ここでいう「常勤」とは、その事業所で定められた常勤の勤務時間(週の所定労働時間)を満たして働く人を指します。パートや短時間勤務の方は「非常勤」にあたるのが一般的です。この区分は、あとで出てくる常勤換算の計算に直結する大切な情報です。
③ 勤務時間(曜日・週ごとの時間数)
スタッフごとに、週の勤務時間や曜日ごとの勤務パターンを記入します。様式によっては、第1週から第4週まで一週ずつ時間数を書き込む形になっていたり、月の合計時間を書く形になっていたりします。ここは実際のシフト(勤務予定・実績)と食い違わないよう、正確に写すことが何より大切です。
④ 常勤換算後の人数
この表のいちばんの山場が常勤換算です。非常勤の方も含めて、「全員合わせると常勤スタッフ何人分になるか」を数字で示します。基本的な考え方はシンプルで、次のように計算します。
常勤換算数 = スタッフ全員の勤務時間の合計 ÷ 常勤職員が働くべき勤務時間(週の所定労働時間)
たとえば常勤の所定労働時間が週40時間の事業所で、非常勤の方が週20時間働いていれば、その方は「0.5人分」として数えます。全スタッフ分を足し合わせた数字が、人員配置基準を満たしているかどうかの判断材料になります。常勤換算の考え方そのものについては、人員配置基準とは?児発・放デイの配置ルールをやさしく解説の記事でくわしくご説明しています。
⑤ 資格・その他の欄
様式によっては、保有資格や、実務経験、配置に関する備考を書く欄が用意されています。児童指導員や保育士としての要件を満たしていることがわかるよう、指示に従って記入します。
つまずきやすい記入ミスと、その対策
実地指導で指摘されやすいポイントや、多くの現場でよく起きる勘違いを、対策とあわせてまとめました。
常勤換算の計算ミス
もっとも多いのが、割る数(常勤の所定労働時間)を取り違えるミスです。週40時間の事業所なのに、うっかり別の時間数で割ってしまうと、常勤換算の人数がまるごとずれてしまいます。また、端数の丸め方を毎回変えてしまうのも混乱のもとです。対策は、「割る数」と「小数点以下の扱い」を事業所のルールとして最初に決めておき、毎回それに従うことです。
勤務時間の合計と、実際のシフトの不一致
もう一つの定番が、一覧表に書いた時間と、実際のシフト表の時間が合っていないというものです。シフトを組み替えたのに一覧表を直し忘れる、休憩時間を差し引く・引かないの扱いがバラバラ、といったことが原因で起こります。実地指導では両方の書類を突き合わせて見られることがあるため、ここがずれていると説明を求められます。対策は、シフトを変えたら一覧表も必ず更新する、あるいはシフトのデータから一覧表を作り、二重管理をやめてしまうことです(後半でくわしくご紹介します)。
兼務・途中入退職の書き漏れ
管理者と児発管の兼務、月の途中で入った・辞めたスタッフの扱いも、うっかり漏れやすいところです。兼務は「どちらの職種として、それぞれ何時間か」がわかるように書く必要があります。途中入退職の方は、在籍していた期間の勤務時間だけを反映します。対策は、月初に名簿と実際の勤務状況を照らし合わせ、変化があった人に印をつけてから記入を始めることです。
常勤・非常勤の区分間違い
「フルタイムに近い時間働いているから常勤だろう」と感覚で区分してしまうと、実際の所定労働時間とずれることがあります。区分はあくまで、事業所で定めた常勤の勤務時間を満たしているかで判断します。契約内容を確認し、迷ったら就業規則や雇用契約書に立ち返るのが確実です。
エクセルで作るときの効率化のコツ
多くの事業所では、いまもエクセルで一覧表を作っていらっしゃると思います。手作業を少しでも軽くするために、次のような工夫がおすすめです。
- テンプレートを一度きちんと作り込む。職種・区分・勤務時間・常勤換算の欄を固定し、毎月は数字だけ差し替える形にすると、レイアウトを組み直す手間がなくなります。
- 常勤換算を数式で自動計算する。「勤務時間の合計 ÷ 常勤の所定労働時間」をセルの数式にしておけば、時間を入れ替えるだけで人数が自動で出ます。手計算による割り算ミスを大きく減らせます。
- 合計欄も数式(SUM)でまとめる。スタッフごとの時間を足し上げる部分を数式にしておくと、一人の時間を直したときに合計が自動で追従します。
- 入力ミスを色で知らせる。条件付き書式を使い、「合計が想定より少ない」「区分が空欄」といった状態に色をつけておくと、埋め忘れに気づきやすくなります。
- 名簿シートと計算シートを分ける。スタッフの基本情報を別シートにまとめ、一覧表側から参照する形にすると、入退職の反映が一か所で済みます。
ただ、エクセルの工夫にも限界があります。関数が複雑になるほど「どこかのセルがずれて全体が狂う」リスクが増え、結局は毎月シフトを見ながら手で数字を打ち直す作業が残りがちです。ここを根本から軽くするのが、次にご紹介する考え方です。
シフトからそのまま書類を書き出す方法
そもそも勤務形態一覧表の数字は、日々のシフト(誰がいつ働くか)を集計したものにほかなりません。だとすれば、シフトを作った時点で一覧表の材料はすでに揃っている、という見方ができます。この発想を形にしたのが、児童発達支援・放課後等デイサービス向けのAIシフト作成ソフト「クロウ君」です。
クロウ君では、スタッフの希望や勤務ルールをもとにシフトを自動で作成し、その同じデータから 様式4・様式5の形にそろえたエクセルを書き出すことができます。シフトを組んだあとに一覧表を作り直す必要がなく、シフトと書類の数字が食い違う心配もありません。常勤換算の計算も、シフトの勤務時間から自動で行われます。
- シフトを作ると、その勤務時間がそのまま一覧表の材料になる
- 常勤換算や人員配置基準のチェックが、作成と同時に確認できる
- 書き出したエクセルは、届出や実地指導に合わせて手直しもできる
「シフト作成」と「書類づくり」を一本につなげることで、毎月くり返していた二重の手間を一つにまとめられます。どんな機能でシフトと書類がつながっているのかは 機能一覧のページ に、実際の画面で見てみたい方は 料金・無料デモのページ にまとめています。文字だけではイメージしづらい部分も、デモで実際の書き出しをご覧いただくといちばん早くご理解いただけます。
大切なのは、ソフトはあくまで「毎回の確認と転記をラクにする道具」だということです。最終的な届出の判断は、制度と自治体の要領に沿ってご確認いただく前提でお使いください。
最新の様式や、常勤換算の細かな取り扱いは、自治体(指定権者)や制度改正によって変わることがあります。実際に提出される前には、必ずお住まいの自治体が公開している最新の様式・記入要領をご確認のうえ、この記事は考え方を整理するための参考としてお役立てください。
勤務形態一覧表の作成でお困りごとがありましたら、いまお使いのエクセルを拝見しながら「どこを自動にできるか」を一緒に考えることもできます。公式 LINE か メール、あるいは無料デモでお気軽にご相談ください。